昨日チムスタの帰りに周りと少し話して、帰り際もぼんやり考えていた。
前置きとしてこれは個人の考えです。



それって何?って方がいたら
http://www.bigmagic.net/news/0088.html
とか
http://www.starcitygames.com/article/27693_Counterfeit-Cards.html
を読んでみることをオススメします。





簡単に言うと
『中国で今までコピー防止として抑止力のあるといわれていた「ブルーシート」を挟んだコピーカードが出回っている、作りも非常に精巧』
って事実が判明したってこと。
なんと54000枚を800$とかで刷るらしい。





パンピーの僕だけど、事態はみんなが思っているよりかなり窮していて、早々にウィザーズは行動に出なければならないと思う。
上記URLは二つともカードショップが注意喚起をしていて『偽者を購入しないように、信頼おけるカードショップで買いましょう』
というような形で締め括られているけど、果たしてそういう問題なのだろうか、少し考えてみたい。




まず、今回の問題がなぜ深刻だと思うかというと、上記に書いたとおり今回の偽造カードは従来のそれとは違い、非常に作りが精巧な点を挙げる。
正直素人な僕から見たら全然本物と偽造の差が分からない。



http://www.starcitygames.com/article/27693_Counterfeit-Cards.html
の中段の青黒フェッチとか見て欲しい、こんなのカードショップで買おうと思ってレジに行った時にショップ店員に
『カードの状態確認お願いします』
と言われた際に気付くだろうか。
隣にオリジナルがあって、比較してても正直「これよくわからんなあ」という感想だし、そもそも僕が持っている先週買ったデルタは果たしてオリジナルなのか?
みたいな感じに訳分からなくなるくらい分からない。


ここまで精巧だと高いカードを購入することに大きなリスクが付きまとうし、対人トレードなんて絶対に怖くて出来ない。
事実、僕はこのポストを読んで、良くGPにいるアジア系バイヤーとトレードすることはもうこれから絶対にやらない。
と思うほどだった。
僕が過敏だと思うひともいるかもしれないが、事態がこれよりもっと大きくなって来たら同じように感じる人たちは増えると思うし、それって『TCG』という概念がもう成立していないことを意味していると思う。








また、これほどカードが精巧であることによって、起きる不具合はまだある。

『果たしてこの精巧な偽造カードを公認大会で使用していたら失格になるのか』

と、言うことだ。





まず、その偽造カードの使用が無意識で、それを元に失格した場合、僕は多分MTGを辞めると思う。
大会の大なり小なりもあるが、こんなオリジナルと見比べてもおよそ判別が断定出来ない偽造カードを使って失格になったら、最早これは違うゲームだ。
競技レベルが高くなればなるほど、それは揚げ足の取り合いになるだろう。

『そのカード、ホンモノですか』って。そんなゲームはつまらない、だから辞める。






そして、それが失格にならなかった場合も、事態はかなり難しい方向に進行する。



僕はたまに某山の手線上のカードショップの大会に出向くんだけど、そこのシングルカードは高くて殆ど買わない。
使うデッキが決まって、足りないカードが分かったら安い通販サイトを利用してカードを購入して、大会に赴く。
非難されることは無いけれどこれはモラルの無い行動だと思う。
自分が週末趣味を楽しむ場にお金を殆ど落としていないってことだからね。



『自分の楽しむ場にお金を落として、そこが利益を得れるようにする』

という考えの人も沢山いるし、それは素晴らしいと思う。
でも、最近の消費者は僕のように人情が無く(人情が無いわけではなく、そういう考えもあるのだけど、それを行うボーダーが存在して、明らかに通販サイトより高い価格でシングルカードを買わないというわけなんだけど、面倒くさいので人情がないと表現してます)、価格だけを見て購入する人も多いと思う。




この行動原理は上にも書いたけど、そのボーダーの問題で、これは偽造カードを公認大会で使用できるとなれば、ボーダーの低い人がそれを偽造と認識しながら使い出してもおかしくないということを意味していると思う。




またそのボーダーもカード価格や状況に応じて変わると思うし、普段ボーダーが高い人だとしても
『GPで一回使うタルモ4枚、オリジナルで揃えると5万、偽造だと50円』
っていう状況が当たり前のように発生するほど偽造問題が大きくなるなら、偽造を手に取るようになっても不思議ではない。






こっからは軽い提言になるのだけれど、ウィザーズはこの事態を将来避けなければならなくて、それのためには

『自分のところにお金を落としたくなるような魅力的なゲーム性を維持したり、大会を開催し続ける』

ってのがまず大事だと思うんだけど、これは現時点ではクリアーしてると思う、GPへPTQへの出場人数の増加なども鑑みればそれは数字に出てる。
なのでこの点が問題にはなってなくて、やはり、これはカード価格の問題だろう。


ってかぶっちゃけモダンのカードの値段が高すぎる、デッキ一つ作るのに20万掛かるのは異常だ。


MTGはTCG業界の中でも競技性の高いカードゲームだと聞いたことがある、他のTCGから流れてくる人たちは大体MTGに合理的なゲーム性や高い競技性の大会を求めて移って来る人が多い。
その中で、『モダン』はPTQやGP、PTなどの競技イベントでのフォーマットになるわけで、非常に需要が高く、それは偽造カードのニーズにも繋がってしまっているわけで。


偽造する側も、それを頼む側も、リスクに対してリターンが見合ってないとそれはやらない。
今のモダンカードはリスクに対してリターンが高すぎる。
僕はカード価格を下げるほかないと思う。




古いカードの価格を下げる為にはそれより強いカードを出したりとかが他TCGでは一般らしいのだけれど、それをあまりやらないのがMTGの魅力だと思うのでそれには賛同しかねる。
なので僕の中では古いカードを再販するのがベストだと思っている。
それは現時点で古いカードを持っている小売業や、一ユーザーに取って不利益なことかも知れない。
だけれど、このままだとMTG界は間違いなく偽造カードの問題で潰れていってしまうと思う。






殆どのMTGユーザーは自分が持っているカードのことを株券だと思ってないと思うし、そのタルモゴイフをレッドゾーンに送り込みたくて持っていると俺は思うから、きっと納得してくれると思う。
アメリカのベースボールカードは偽造問題で衰退したという話もツイッター上で耳に入ったし、ウィザーズの対応に期待したいなあと思っている今日この頃でした。





皆さんは現在の偽造カード問題をどう捉えていますか。

コメント

nophoto
とらうお
2014年1月20日16:40

凄く難しい問題ですよね。
対応しようにも所詮は印刷物で大量に出回っているものだから、1枚1枚対応していくわけにもいかないし。
万券や100ドル札をするよりはるかに安全で罪も小さく、それでいて節度さえ弁えればそれに近いだけの利益を得る事が出来るような、今の状態はそういう犯罪を引き起こすのに十分な条件があるんでしょうね。
カード1枚の価値というか単価が下がっていけば、より煩雑な手間も必要になるしリスクも上がっていくしで、そういう犯罪を抑止していけるとは思うんですが。
それはそれでショップはダメージを負ってしまうわけで、つまりウィザーズにもかなりのダメージが入ってしまいますよね。
だからといって放置ではプレイヤーが非常に大きなリスクを背負い、MTG自体の衰退を引き起こしかねないっていうのはおっしゃられている通りですし。
これから刷っていくカードで対策をしなければならない、というのは勿論ですけど、昔のカードについてどうするかが一番の問題ですねぇ。

ただ、ロータスみたいな美術品としての価値もあるようなものはとても難しいですよね。
こちらは一般のプレイヤーにはあんまし影響ない話ではあるんですけども。
以前近代美術史のどっかの教授が講演してましたけど、近代美術・・・というか、オタク文化でのイラスト商品って、付加価値が高いわりに偽造しやすいんですよね。
そもそも美術品っていつの時代も偽造(模倣ではなく)はずっと問題になっていましたが、印刷物はしかるべき設備さえあれば、それに近い品質のものは作れてしまうわけで。
特にロータスみたいなものは、再販する事それ自体があちらこちらに悪い影響を及ぼしてしまいますが、本物に近い偽物が出回った場合、それを防ぐのも非常に難しいわけですしね。

長文失礼しました

nophoto
通りすがり
2014年1月20日16:40

偽造カードの次は偽造パックかなーと思います

Taku
2014年1月20日18:42

有意義そうなので暇なときに翻訳しようかと思っています。

ちなみにこの青黒フェッチ@ebayの写真は、ホンモノを撮ったものらしいです。
売ってるのはプロキシ。掲載されてるのはイメージ画像。
なので実物はわかりませんが、実際のところの精巧さはまだ掲載されているタルモゴイフ程度らしいです。

なめこ
2014年1月21日7:29

ニコ生会議や(^^)/
現状対策するなら日本語、英語以外のカードしかトレードしない方がよさそう。

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